愛犬はどのタイプ?サイズ・体型から考える愛犬家住宅の工夫
犬と暮らす家のアイデア決定版|小型・中型・大型犬の体格に合わせた最適な住まいづくり
愛犬との暮らしをより豊かにするために注文住宅の新築やリフォームを検討する際、「犬と暮らす家 アイデア」と検索してさまざまな間取りや設備を調べる方は少なくありません。しかし、同じ「犬」であっても、チワワのような体重数キロの超小型犬と、ゴールデンレトリバーのように30キロを超える大型犬とでは、身体の骨格構造や運動量、なりやすい疾患、住まいに求める空間の広さが根本から異なります。
一般的な「ペット共生住宅」の設備を一律に取り入れるだけでは、小型犬にとっては段差が大きすぎて関節を痛めたり、大型犬にとってはトイレスペースや動線が狭すぎて強いストレスを感じたりする原因になりかねません。愛犬が安全かつ健康に、そして飼い主様ご家族も掃除やお手入れの負担なく笑顔で暮らすためには、愛犬の「体格・体型」ごとの特性を正しく理解し、それに合わせた間取り・建材設計を計画することが何よりも大切です。本記事では、超小型・小型犬、中型犬、大型犬の3つの体格区分に応じた具体的な住まいアイデアから、全犬種共通の快適設備、シニア期まで見据えた家づくりのポイントまで詳しく解説します。
- 体格・体型に合わせた住まい設計の必要性:犬の体重や体高によって骨格リスクや運動欲求、必要な専有面積が大きく異なるため、一律のペット仕様ではなく犬種・体格の特性に最適化した空間計画が不可欠です。
- 小型犬は「足腰の保護」と「温度バリアフリー」:トイ・プードルやダックスフンドなどの小型犬は骨折や膝蓋骨脱臼(パテラ)、椎間板ヘルニアのリスクが高いため、防滑床材や緩やかなステップ、床付近の冷えを防ぐ高気密・高断熱性能が最優先課題となります。
- 中型犬は「LDK回遊動線」と「内外のシームレスな連携」:柴犬やビーグルなど運動量の多い中型犬には、行き止まりのない回遊動線やペット専用くぐり戸、リビングから直結するウッドデッキや中庭がストレス解消と運動不足予防に極めて効果的です。
- 大型犬は「ゆとりの広さ」「大型足洗い場」「暑さ対策」:30kg前後の大型犬が快適に過ごすには、半畳以上のトイレスペースや家族動線を塞がない広々LDK、抱え上げずに洗える玄関土間直結の温水足洗い場、体温調節を助ける冷感タイル床が欠かせません。
- 将来のシニア期まで見据えた可変設計:犬の平均寿命は14〜15歳に達しており、10年後の足腰の衰えや介護を見据えたフラット動線・可変間取りを初期設計に組み込むことが、生涯にわたる安心につながります。
なぜ犬の「体格・体型」に合わせた家づくりが必要なのか?
犬と暮らす住まいづくりを成功させるためには、まず「犬の体格や骨格構造によって住環境に求められる条件がまったく異なる」という前提を把握しておくことが重要です。小型犬と大型犬では体重差が10倍以上に及ぶことも珍しくなく、歩行時の関節への衝撃度合い、1日に必要とする運動エネルギー、さらには視界に入る高さまで大きく異なります。
家族の一員である愛犬がのびのびと健やかに過ごし、怪我や病気を未然に防ぐためには、それぞれの体格特性に応じた設計配慮が欠かせません。
小型犬・中型犬・大型犬の分類基準と必要な生活スペースの目安
犬のサイズ分類には法律上の絶対的な定義はありませんが、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準や一般的な住まいづくり・ペット飼育の指標では、成犬時の体重を基準に大別されています。
また、環境省が定める「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針(案)」では、ケージ等の飼養設備について具体的な数値基準(寝床ケージはタテ体長2倍以上×ヨコ体長1.5倍以上×高さ体高2倍以上、運動スペース一体型は分離型ケージの6倍以上の床面積)が示されています。これは事業所向け基準ですが、一般住宅において愛犬がストレスなく休息し、自然な姿勢で立ち上がったり横たわったりできる居住スペースを計画する上でも大いに参考となる指標です。
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体格区分 |
成犬時の体重目安 |
代表的な犬種 |
必要なケージ・トイレスペースの目安 |
住まいに求められる主な空間特性 |
|---|---|---|---|---|
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超小型犬・小型犬 |
10kg未満(超小型は4kg未満) |
チワワ、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン |
約0.5畳〜1畳(小型トイレ+クレート) |
段差の解消、防滑床、床付近の温熱環境管理 |
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中型犬 |
10kg以上〜25kg未満 |
柴犬、ビーグル、フレンチ・ブルドッグ、ウェルシュ・コーギー |
約1畳〜1.5畳(中型トイレ+ベッド) |
回遊できる動線、屋内外をつなぐテラス、防音・壁面保護 |
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大型犬 |
25kg以上 |
ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、バーニーズ |
約1.5畳〜2畳以上(大型トイレ+大型ベッド) |
ゆとりあるLDK動線、頑丈な足洗い場、冷感タイル等の暑さ対策 |
体格ごとに大きく異なる「足腰の負担」「運動量」「習性リスク」
体格の違いは、日々の生活で生じる身体リスクや行動パターンに直結します。
小型犬は骨が細く華奢なため、滑りやすい一般的なフローリングを歩くだけで膝蓋骨脱臼(パテラ)や骨折を引き起こしやすく、胴長短足体型のダックスフンドなどは椎間板ヘルニアの発症率が高くなります。また、ソファから飛び降りた際のわずか数十センチの段差でも骨折事故に至るケースが多いため、徹底した衝撃緩和と段差対策が求められます。
一方で、中型犬は狩猟犬や牧羊犬をルーツに持つ犬種が多く、非常にエネルギッシュで知的好奇心が旺盛です。室内に運動スペースや刺激が不足すると、ストレスから無駄吠えや家具の噛みつきなどの問題行動につながりやすくなります。さらにジャンプ力が高いため、玄関や庭からの飛び出し防止フェンスの高さ設定にも細心の注意を払わなければなりません。
大型犬になると、30kgを超える自重が常に関節や肉球にかかるため、股関節形成不全や変形性関節症の予防が住まいの大きなテーマとなります。また、体の容積が大きい大型犬は熱が体内にこもりやすく、日本の高温多湿な夏に熱中症を発症するリスクが非常に高いため、冷たい床材の選定や効率的な通風・空調計画が生命を守る重要な設計要素となります。
【超小型犬・小型犬】の住まいアイデア|足腰の負担軽減と温度バリアフリー
日本の住宅事情で最も飼育頭数が多い超小型犬・小型犬は、抱っこしやすい愛らしさがある一方で、骨格が非常に繊細で外気温の影響を受けやすいというデリケートな一面を持っています。小型犬との暮らしでは、「足腰の安全確保」と「床付近の温熱環境の適正化」が間取り設計の中心になります。

骨折・膝蓋骨脱臼(パテラ)を防ぐ「滑りにくい床材」と「緩やかなステップ」
トイ・プードルやポメラニアン、チワワに極めて多く見られる疾患が、膝の皿が正常な位置から外れてしまう「膝蓋骨脱臼(パテラ)」です。ツルツルとした一般的な複合フローリングは、犬の爪が引っかからず肉球が滑るため、踏ん張るたびに関節や靭帯に過度なねじれ負荷がかかります。
新築やリノベーションで床材を選定する際は、愛犬の歩行に配慮された専用フローリングの導入が最も有効です。例えば、朝日ウッドテックの「ライブナチュラルプレミアム for Dog」は、天然木ならではの高級感や木目の美しさを保ちながら、小型犬の肉球が滑りにくい特殊防滑塗装が施されており、転倒や関節疾患のリスクを大幅に低減します。汚れやアンモニアに対する耐薬品性も備えているため、粗相があった際のお手入れも容易です。
また、小型犬にとっては「ソファからの飛び降り」や「玄関の上がり框(かまち)」が骨折の主な原因となります。リビングにはソファ横に緩やかな傾斜のスロープや2〜3段の専用ステップを常設し、階段の勾配も通常より緩やかに設定するか、後述の安全ゲートで立ち入りを制限する工夫が欠かせません。
リビングの一角で安心して眠れる「おこもり感のあるケージ・ベッド配置」
小型犬は警戒心が強く、人の足音やドアの開閉音、外の物音に敏感です。リビングの中央や人の往来が多い動線上にケージやベッドを配置してしまうと、熟睡できず常に緊張状態が続いてしまいます。
おすすめの設計アイデアは、階段下スペースや造作テレビボードの下部、リビングの奥まったコーナーなどを活用した「おこもり感のある専用ヌーク(隠れ家スペース)」の設置です。上部や三方が壁で囲まれている適度な閉鎖感は、犬の祖先が巣穴で暮らしていた本能的な安心感を呼び起こします。家族の気配を感じられる距離感を保ちつつ、直射日光やエアコンの直風が当たらない静かな位置に設けることで、愛犬がリラックスして休息できるプライベート空間が完成します。
床付近の冷えや隙間風を防ぐ「高気密・高断熱」と危険箇所の「安全ゲート」
人間が立っている高さ(床上150cm付近)と、小型犬が呼吸し生活している高さ(床上10〜20cm付近)では、室内の温度環境が大きく異なります。気密性や断熱性が低い住宅では、コールドドラフト現象によって冷気が床付近に溜まりやすく、体が小さく体温を奪われやすい小型犬は体調を崩すリスクがあります。
家全体を高気密・高断熱仕様に設計し、換気システムと連動して室内の上下温度差を2℃以内に抑えられる温熱環境を整えることが、小型犬にとって最大の健康投資となります。床暖房を採用する場合は、犬が暑くなった際に逃げ込める「非温熱エリア(畳やタイルのクールスポット)」を同じ空間内に必ず残しておくことが熱中症予防のポイントです。
さらに、小型犬は体が小さいため、キッチンの進入による誤飲・火傷事故や、玄関扉が開いた瞬間の隙間からの脱走事故が起きやすい傾向にあります。パントリーやキッチン入り口、玄関ホール手前には、空間のデザインを損なわない造作の木製安全ゲートやスライド引き戸をあらかじめ間取りに組み込んでおくことを強く推奨します。
【中型犬】の住まいアイデア|運動欲求を満たす回遊動線と内外をつなぐ設計
柴犬やウェルシュ・コーギー、ビーグル、フレンチ・ブルドッグなどの中型犬は、筋肉質で活動量が多く、毎日の運動や知的好奇心の充足が心身の健康維持に直結します。散歩だけでなく、室内でも適度に身体を動かせる「回遊動線」と、屋内外を自由に行き来できる「アウトドアリビングの連携」が間取りづくりの鍵を握ります。

家の中を行き止まりなく走り回れる「LDK回遊動線」と「ペット専用くぐり戸」
中型犬にとって最もストレスとなるのが、室内に行き止まりが多く、行動範囲が制限されることです。ABCハウジングの間取り解説でも示されている通り、アイランドキッチンや独立壁の周囲をぐるりと一周できる「サーキュレーション(回遊)動線」を確保すると、愛犬が室内を自然なスピードで駆け回ることができ、雨の日の運動不足解消にも役立ちます。
また、部屋ごとに扉を閉め切ってしまうと犬の移動が遮断されるため、室内ドアの下部に「ペット専用くぐり戸(ペットドア)」を取り付ける設計が有効です。SumaiRingの建材ガイドでも紹介されているように、マグネットフラップ付きのくぐり戸を採用すれば、室内の冷暖房効率を損なうことなく、愛犬が自分の意志で自由に部屋を行き来できるようになります。なお、ドアを勢いよく開けた際に犬と衝突しないよう、中型犬の背丈に合わせたスリット窓を室内ドアに設けて視認性を確保する工夫も重要です。
リビングから気軽に出て日光浴や運動ができる「ウッドデッキ・中庭」
中型犬のストレス発散には、風や太陽の光を感じられる半屋外空間が非常に効果的です。リビングと段差なくフラットにつながる囲い付きのウッドデッキや、建物の中心に設けるプライベートな中庭(パティオ)は、愛犬専用のアウトドアリビングとして最適です。
クレアカーサの施工事例コラムにもあるように、中庭スタイルの設計であれば、外部からの視線や脱走の心配を完全に排除した状態で、ノーリードで自由にボール遊びや日向ぼっこを楽しませることができます。ウッドデッキには天然木のトゲやササクレで肉球を傷つける心配がなく、耐久性・清掃性に優れた人工木(再生木)デッキ材や、水洗いが容易なアウトドアタイルを選択するとメンテナンス性が格段に高まります。
ジャンプ力と活発さに配慮した「飛び出し防止フェンス」と「傷に強い腰壁」
柴犬やボーダーコリーなどの中型犬は驚異的なジャンプ力を持っており、助走なしで1メートル前後の高さを軽々と飛び越えることがあります。庭をドッグランとして囲う場合や玄関ポーチの脱走防止ゲートには、最低でも高さ1.2m〜1.5m以上のフェンスを設置し、足がかりになる横桟(よこざん)のない縦格子デザインを採用するのが安全設計の鉄則です。
また、興奮した際の爪の引っかき傷や、体を壁に擦り付ける習性からクロスを守るため、床から高さ80〜90cm程度まで「傷に強いメラミン化粧板の腰壁」や「ペット用強化壁紙」を施工しておくことをおすすめします。腰壁を設けることで、壁面の汚れを水拭きで簡単に拭き取れるだけでなく、インテリアとしてもアクセントの効いたスタイリッシュな空間に仕上がります。
【大型犬】の住まいアイデア|ゆとりの広さと足腰を守る大型水回り・暑さ対策
ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどの大型犬は、穏やかで愛情深い性格が魅力ですが、体重30kg前後の堂々たる体格を支えるためには、建築計画のスケール感を根本から見直す必要があります。大型犬が伸び伸びと過ごし、飼い主様の身体的負担を減らすためには、「空間のゆとり」「専用の大型水回り」「夏場の暑さ対策」の3本柱が不可欠です。

ゆったり過ごせる広々LDKと半畳以上の専用トイレスペース確保
大型犬が横たわると、それだけで畳半畳分ほどの面積を占有します。廊下やキッチンの通路幅が標準の78cm〜85cm程度しかない場合、大型犬が寝そべるだけで家族の生活動線が完全に塞がれてしまい、犬も人も互いにストレスを感じることになります。大和ハウスのペット共生住宅研究でも提唱されているように、大型犬と暮らす住まいでは、主要な通路幅を1m以上確保し、LDKには家族全員と愛犬が同じ空間で無理なくくつろげる20帖以上の広々としたゆとりを持たせることが理想的です。
また、見落とされがちなのが「トイレスペースの広さ」です。大型犬は排泄前にクルクルとその場で何回も旋回する習性があるため、小型犬用のトレイでは体がはみ出して失敗してしまいます。大型犬用には最低でも「半畳(約90cm×90cm)」、できれば「1畳(約180cm×90cm)」の専用トイレエリアを計画し、周囲の壁面にはキッチンパネルなどの耐水・防臭パネルを張り巡らせ、専用の換気扇やナノイー発生器を真上に配置すると清潔な空気環境を保てます。
大型犬の体をしっかり洗える「玄関直結の温水シャワー付き足洗い場」と「広幅土間」
中・小型犬であれば、散歩帰りに抱きかかえて浴室や洗面台まで連れて行くことができますが、30kgを超える大型犬を毎日抱え上げるのは飼い主様の腰や肩に深刻な負担を与えます。そのため、散歩から帰ってそのまま直行できる「玄関土間直結の大型足洗い場(ペットシンク)」の設置が強く推奨されます。
足洗い場は段差を極力排したスロープまたは低めのステップ形状とし、大型犬が自力で無理なく入れるバリアフリー設計にします。冬場の冷えを防ぎ皮脂汚れを落としやすくするために「混合水栓(温水シャワー)」を必ず引き込み、手元で止水できる伸縮ホース付きシャワーヘッドを備え付けるのがベストです。土間スペース自体も幅を広めに設計しておけば、シャンプー後の濡れた体を拭いたり、大型のペット用ドライヤーでブローしたりするグルーミング空間としても機能し、室内へ泥や抜け毛を持ち込まずに済みます。
暑さに弱い大型犬が快適に過ごせる「ひんやりタイル床」と「通風・北側涼感エリア」
大型犬は体積に対する体表面積の割合が小さく、体内に熱がこもりやすい構造をしています。特にダブルコートの被毛を持つ北方原産の犬種は日本の高温多湿に極めて弱く、室内であっても熱中症のリスクに常に晒されています。
エアコンによる24時間温度管理は大前提ですが、愛犬自身が心地よい場所を能動的に選べるよう、LDKの一角や玄関土間に「熱伝導率が高くひんやりとした大型磁器質タイル」や「天然石」のクールスポットを設けるアイデアが極めて効果的です。直射日光が入らない北側の落ち着いた場所に、風通しの良い地窓やスリット窓を組み合わせた「涼感リラックスエリア」を用意してあげることで、大型犬は火照った身体を床に密着させて体温を逃がし、真夏でも快適に過ごすことができます。大型犬の重い足腰を支えるためにも、タイル表面は防滑加工(グリップ加工)が施された滑りにくい製品を選ぶことが必須です。
全犬種共通!愛犬と家族双方がストレスフリーに暮らす設備&建材アイデア
体格に応じた個別設計に加えて、すべての犬種に共通して求められるのが「ニオイ対策」「抜け毛対策」「収納計画」、そして「愛犬の知的好奇心を刺激する工夫」です。これらを新築・リノベーションの初期段階で適切に盛り込むことで、愛犬の健康を守るだけでなく、来客時にも気兼ねのないクリーンで美しい住まいを維持できます。
抜け毛・ニオイ対策に効果的な「珪藻土・漆喰」と「24時間熱交換換気」
犬と暮らす住まいで飼い主様が最も悩まされるのが、独特の獣臭や排泄物のアンモニア臭、そして換毛期に舞い散る大量の抜け毛です。
壁材には、化学物質を吸着・分解し、アンモニアや生活臭を強力に吸着する自然素材の「珪藻土(けいそうど)」や「本漆喰(しっくい)」の採用がおすすめです。多孔質構造を持つ自然素材は優れた調湿性能も兼ね備えており、梅雨時のジメジメや冬場の過乾燥を防いで、愛犬の皮膚疾患予防にも寄与します。また、アクセントウォールとして消臭タイルをトイレ周辺に施工するのも効果的です。
これに加えて、住宅の換気計画には「第一種24時間熱交換換気システム」の導入が不可欠です。排気口をアンモニア臭が溜まりやすい床面近く(床上10〜15cm)に配置する「床面排気」を採用すれば、空気より重いホコリや抜毛、アンモニア臭を効率的に屋外へ排出できます。外気を室温に近づけて給気する熱交換型であれば、愛犬のためにエアコンを24時間稼働させていても電気代を大幅に抑えられます。
散歩グッズや大容量フードをすっきり隠す「玄関・パントリー収納」
犬との暮らしでは、散歩用リード、ハーネス、マナーポーチ、夜間ライト、お手入れ用シート、ペットカート、そして10kg以上ある大袋のドッグフードやペットシーツのストックなど、驚くほど多くのアイテムが必要になります。これらが生活空間に溢れかえると、室内が雑然とし誤飲事故の温床にもなります。
玄関には、靴だけでなくペットカートをそのまま収納でき、リードやタオルを壁掛けできる「ウォークイン型シューズクローク(土間収納)」を計画しましょう。また、キッチンのパントリー内には、愛犬のフードストックや薬、おやつを収納できる鍵付き(または高所)の専用シェルフを設けるのがベストです。犬の手が届かない場所に整理整頓することで、留守番中のいたずらや盗み食い事故を確実に防止できます。
愛犬の目線に合わせて外を眺められる「低めのピクチャーウィンドウ」
犬は縄張り意識と好奇心が強く、外の様子を眺めるのが大好きな生き物です。しかし、一般的な引き違い窓や高窓では犬の視線からは空しか見えず、外の物音にだけ反応して無駄吠えを繰り返してしまう原因になります。
そこで取り入れたいのが、床面からわずか20〜40cmほどの高さに設ける「地窓(ピクチャーウィンドウ)」です。中庭やアプローチ、庭の植栽が見える位置に低めのフィックス窓を配置してあげることで、愛犬はあごを床に乗せながらのんびりと外の風景や通り過ぎる人・車を眺めることができます。外の視覚情報が把握できることで不安が和らぎ、留守番時のストレス軽減や警戒吠えの抑制に大きな効果を発揮します。家族が帰宅した際にも、窓越しにしっぽを振って迎えてくれる愛らしい姿を楽しめる人気の設計アイデアです。
まとめ|愛犬の個性と将来のシニア期まで見据えた住まいづくりを
愛犬と暮らす家づくりは、単にペット用設備をカタログから選んで配置することではありません。小型犬なら繊細な骨と体温を守る配慮、中型犬なら溢れる運動欲求を満たす動線、大型犬なら悠々としたスケール感と暑さ対策といったように、体格や犬種ごとの身体的特性を間取りの骨格に落とし込むことが何よりも大切です。
そしてもう一つ忘れてはならないのが、「将来のシニア期(高齢期)」への備えです。現在どれほど元気に走り回っている愛犬も、10年〜15年が経過すれば足腰が衰え、自力での立ち上がりや歩行が難しくなる時期を迎えます。その時になって大がかりな改修をするのではなく、新築やリフォームの段階から「段差のないワンフロア動線」「寝室の近くに介護スペースを確保できる間取りの可変性」「車椅子や歩行器でも通れる広い開口幅」を計画しておくことが、愛犬の生涯を最後まで温かく見守るための最良の選択となります。
大阪狭山市を中心に高性能な注文住宅やリノベーションを手がけるアステッドホームでは、お客様との丁寧な対話と「ききだす力」を通じて、ご家族一人ひとりのライフスタイルはもちろん、愛犬の犬種・年齢・性格にまで深く寄り添った住まいをご提案しています。建築士とともに、家族全員と愛犬が生涯にわたって健康で笑顔あふれる理想の住まいを形にしてみませんか。間取りのご相談や見学会など、どうぞお気軽にお問い合わせください。
犬と暮らす家づくりに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 小型犬と大型犬を一緒に飼う場合、間取りで注意すべきポイントは?
体格差がある多頭飼いでは、大型犬の不意の衝突や踏みつけから小型犬を守るため、食事場所や就寝スペース(ケージ)を空間的に分ける「セパレート動線」を確保することが重要です。また、トイレスペースも共有にせず、小型犬用と大型犬用でサイズを分けた専用トイレを別々の場所に設置することで、排泄の失敗や縄張り意識によるストレスを防ぐことができます。
Q2. 庭にドッグランや専用足洗い場をつくる場合の注意点は?
庭をドッグランにする際は、犬が土を掘り返してフェンス下から脱走しないよう、基礎ブロックを地中に埋め込んだ頑丈なフェンスを設置し、足腰への負担を減らすため天然芝や水はけの良い人工芝、ウッドチップを敷設するのが基本です。また、屋外の足洗い場は冬場の寒さで愛犬が震えたり肉球が荒れたりしないよう、必ず給湯配管(温水シャワー)を引き込み、排水口には抜け毛をキャッチする大型ヘアキャッチャーを設けておくことがメンテナンス上不可欠です。
Q3. 新築ではなく既存住宅のリノベーションでも犬用仕様に対応できますか?
十分に対応可能です。既存のフローリングの上に防滑コーティングを施したり、ペット用の上貼りフローリングやクッションフロアを重ね張りするだけでも足腰への負担は劇的に軽減されます。さらに、既存の壁面への消臭パネル・腰壁の追加、室内ドアへのくぐり戸加工、玄関土間への足洗い場増設など、部分的な改修でも愛犬の体格に合わせた快適な住環境を整えることができます。
Q4. シニア犬(高齢期)になったときに備えて最初から取り入れるべき工夫は?
高齢になると視力や筋力が低下するため、リビングや廊下の段差を完全になくすフルフラット設計にしておくことが第一です。また、歩行補助ハーネスを使ったり大型犬用の介護カートを押したりできるよう、主要な出入口には幅広の引き戸を採用し、夜間の粗相や徘徊に備えて飼い主様の寝室と同じフロアに愛犬の居住スペースを配置できる可変間取りにしておくことをおすすめします。